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スマートカーの可能性をもっと引き出すUWB とは

 

 

はじめに

 

ついにスマートカー時代の幕開けです。自律走行搬送ロボット(AMR)、無人搬送車(AGV)、完全自動運転車、精密な物流アルゴリズムで制御された車両隊から、先進的な安全運転とセキュリティ機能を備えたシンプルな民生車両まで、これらの新しいカーエレクトロニクスは効率性、安全性、使いやすさを向上させる可能性を秘めています。ただし、その代償として、複雑な電子技術が必要になり、電子的脅威に対する脆弱性が高まります。また、自動車アプリケーションに求められる信頼性基準を満たしていない無線通信サービスへの依存度も高まるかもしれません。こうした状況のなか、UWBが登場しました。UWBは干渉に対する信頼性とレジリエンスを備えた無線通信規格で、極めて正確な位置追跡を提供します。UWBは新しい技術なのでまだ普及途上ですが、UWBの登場で自動車アプリケーションにはとても明るい未来が見えてきました。

このブログでは高性能な自動車アプリケーションへUWB技術をどのように適用するか、さらに自動車プラットフォームの開発と統合に対処できるUWB ソリューションについて解説します。

 

 

UWB が現在できることは?

 

UWB技術は導入当初からセキュリティ強化の点で大きな成功を収めました。デジタルキーはスマートフォンを物理的な車の鍵のように使用できる技術ですが、そのためには複数のデジタルセキュリティ層を追加する必要があります。UWBでは1センチ単位の精度でリアルタイムの位置追跡が可能なため、デジタルキーにとって理想的な技術です。  特に、レーダー通信と距離アルゴリズムは本質的な安全性を備え、ノイズと干渉に対し極めて優れたレジリエンスを発揮します。

しかも価格が手頃で、エネルギー効率も非常に優れています。  たとえば、UWB通信は最高27Mbpsで、距離/位置測定をコンパクトなプラットフォーム上に設計できます。プラットフォームはボタン電池1つで稼働し、電池交換は複数年不要です。これらの要因から、UWBは多くの自動車アプリケーションにとって Bluetooth® Wi-Fi®、GPS、RFID、セルラーよりも効率的なオプションとなっています。UWBとは違い、これらの無線通信・位置追跡技術はノイズ干渉と混雑の影響を受けやすく、しばしば多くの電力供給と追加インフラを必要とします。

UWBは、UWB互換性チップセットをプラットフォームに設置するだけで、直接ピア・ツー・ピア通信と位置/距離追跡が可能です。AppleのAirTagのように、UWBデバイスが2つあれば、UWBタグの正確な位置、方向、状態をリアルタイムで検出できます。この機能は、他にも自律的合流/パーキング、歩行者検知、車両の位置、自律的車内通信など、多くのV2X(vehicle-to-everything(車とあらゆるものとの通信))アプリケーションに非常に適しています。

 

 

UWB は現在どの程度使われているか?

 

現在UWBは、多くの主力スマートフォンやスマートウォッチに採用されています。また、デジタルキー技術と占有検知技術をすでに導入済み、または導入間近の民生用自動車メーカーも増え続けています。その他にも、極めて正確な屋内位置情報/ナビゲーション、小売店や産業施設のアセットベースの追跡、民生用デバイスのFind Myアプリ、ロケーションベースの照明/オーディオ体験といったアプリケーションがすでに存在しています。

 

UWB がかなえる未来とは?

 

こうした最初のアプリケーションは、UWBの潜在能力をほんの少し引き出したにすぎません。現在開発中の将来のアプリケーションには、車両間通信が含まれ、これによって自律運転車両隊と民生用完全自動運転車を遥かに安全に低遅延で調整できるようになります。UWB技術は、先進的スマートパーキング、歩行者や自転車との衝突回避、および車載センサ(タイヤ空気圧監視システム、占有センサ、その他の安全機能)との車内無線通信に使用されている近接検知にも非常に適しています。

 

UWB設計の留意事項

 

他の無線通信ソリューションと同じように、UWBデバイスの開発時にもいくつかの設計上の留意事項を考慮する必要があります。UWBはIEEE 802.15.4aおよび802.15.4z規格に基づいており、FCCによって3.1GHz〜10.6GHz帯の無許可使用が認められています。FCCはUWB放出のパワースペクトル密度(PSD)を-41.3dBm/MHzに制限しています。ITUなど他のスペクトル規制機関も同様の規制を発行しています。

UWB設計では他にも、アンテナの配置、ハウジング、エネルギー管理、ナローバンドデバイスとの共存に留意しなければなりません。具体的には、高PSDナローバンドエミッタによる周波数帯の占領が懸念される領域では、バンドストップフィルタ付きのUWBデバイスを設計する必要があるかもしれません。

 

Qorvoの開発ボードを使ってUWB設計を加速化

 

UWB技術 は新しく、不慣れな設計者もいますが、定評のある開発ソリューション、チップセット、サポート材料がすでに存在しているので、これらを使えば UWBソリューション をできるだけ迅速に立ち上げて市場に届けられるでしょう。Qorvoは、UWBプロトタイプ、概念実証コード、ソリューション設計の加速化を支援するさまざまな開発ボードとモジュールを提供しています。たとえば、Qorvoの Arduino互換シールドは多くのマイクロコントローラユニット(MCU)メーカーによってサポートされており、UWB RTLSシステムの開発が可能です。またQorvoは、 UWBモジュール開発キット に加え、スケーラブルなUWB RTLSネットワークソリューションの構築に必要なハードウェアとソフトウェアを完備した UWB開発ボード も提供しています。(1)。

図1:Qorvo DWM1001-DEVモジュール開発ボードを使用すると、ハードウェアの設計が不要になり、コードを1行も書かずに、アンカー、タグ、ゲートウェイをはじめとするRTLSシステムの組立と評価が可能になります。(出典:マウザー・エレクトロニクス)

 

まとめ

 

UWB技術は、自律走行車の通信と位置/距離追跡を再構築しようとしています。高い安全性とレジリエンスを備えた無線チャンネルを用いた、高精度、リアルタイム位置情報、低遅延通信によって、UWBは今後もっと多くの分野で活用されるようになります。さらに信頼性の高いUWBでは、多くの接続通信システムをコスト効率の良いワイヤレスソリューションに交換し、車両の軽量化を図り、電子部品の複雑な配線を減らすことも可能なのです。